演劇/大阪府
2007年01月03日
お正月は“初笑い”から始まりました(上方落語一心寺亭 in 一心寺シアター倶楽)
昨年末の記事でもお伝えしましたが、1月2日に天王寺にあるイベントスペース<一心寺シアター倶楽>へ落語を聴きに行きました。
その名も<正月吉例 上方落語一心寺亭>という落語会で、元旦から3日までの3日間開催の催しです。
大阪天満の<繁昌亭>という常設の落語小屋でも寄席が開かれていたようですが、それに負けず劣らずの活況を呈している感じがしました。
1月2日当日は12時過ぎに天王寺に到着し、まずは腹ごしらえのために一心寺シアター倶楽の近くにある“うどんの前田”へ行きました。
このお店はカレーうどんが有名で、時々関西のテレビ番組で取り上げられています。
度々お店の前を通っているのですが、残念ながら今まで実際に食べたことはありませんでした
ここのカレーうどんはドロッとした緩めのカレールーと言った感じで適度な辛味があり、食べやすいうどんでした。
残念ながら“お正月料金”でちょっと高くなっていました。(でも正月料金とは最近珍しいですね)
おなかも膨らみ体も温かくなって来たところで一心寺シアター倶楽へ移動です。
チケット代金を支払い、地下の入り口まで階段を下ります。
この日の演者は次の4人の方々でした。
2日 桂春団冶 桂小春團治 笑福亭銀瓶 桂阿か枝 さん
さらにこの日は元旦から3日まで開催の「局アナ正月落語バトル」の一環として、読売テレビの植村なおみ、横須賀ゆきの両アナウンサーが参加し、落語を披露してくれました。
出演は登場順に、桂阿か枝・笑福亭銀瓶・桂小春團治さん。芸歴の若い順でしょうか?
中入り後、よみうりテレビの植村なおみ・横須賀ゆきの両アナウンサーの順。
トリが桂春団治さんでした。
演目は阿か枝さんが“狸の賽” 助けてもらった仔ダヌキが、お礼にサイコロに化けて・・・
動物ネタの楽しい落語です。
銀瓶さんが“手水廻し” “ちょうず”を知らなかった田舎の旅館の主と板長が街の旅館へ調べに行き・・・
ちょっとカミカミは多かったですが、これがこの方の持ち味となりつつあるようですので(鶴瓶さんのお弟子さんですしね)OKでしょう。
小春團治さんが“職業病” 現代創作落語でしょう、新規オープンとなったファミリーレストランで新米従業員達がどんな事件を巻き起こすか・・・
従業員達はそれぞれ前の仕事の癖を引きずったままファミレスで応対すると言う内容なのですが、それぞれの職業の特徴を上手に捉えているなあと感心させられました。もちろんとても面白かったですよ。
植村・横須賀両アナは1つの落語を半分ずつ話されました。“平林”ちょっと頼りない丁稚ドンがおかみさんの用事で“平林(ひらばやし)”さんのところへ手紙を渡しに行くのですが・・・
今回の出演依頼は1ヶ月程度前に桂小春團治から植村なおみアナへの突然の電話であったそうで、一人じゃ心許無い彼女がさらに横須賀ゆきのアナを引き込む形で今回の出演となったそうです。
植村なおみアナは、まくら(前フリ?)の中で『今日の結果次第では“幻の落語”になるかもしれません』と話しておられました。
さすがに本職の落語家さんと比べるのは酷ですが、お正月の華やかさを十分感じさせて頂きましたし、お噺もよく分かり良かったと思いますよ。
来年もチャレンジして頂きたいですね。
トリの桂春団治師匠は“親子茶屋” 遊び好きの若旦那を叱る真面目で厳しそうな旦那さん、実は彼も遊びが好き。今日もこっそり遊びに来た旦那さんでしたが、そこへ何も知らぬ若旦那が遊びに来て・・・
やはり上方落語四天王のお一人だけあって他のお三方では出せない貫禄がありました。重鎮という言葉がピッタリかもしれません。
この<正月吉例 上方落語一心寺亭>、来年も開催されるかと思いますので、興味を持たれた方は是非いらっしゃってください。
1月を除く毎月21日にも落語会も開かれていますし、大阪天満の<繁昌亭>では毎日落語が聴けますので、チャンスを見つけて“古くて新しい”落語の世界を楽しんでみて下さい。
2006年12月27日
お正月を初笑いで迎えませんか?(上方落語会 in 天王寺)
“も〜いくつ寝ると〜お正月〜♪”
子供の頃は『もうすぐお正月だー』という感じでしたが、大人になると『もうすぐお正月かー』と言う感じに。
早く来て欲しいと望んでいたのがいつしか『早いなあ』というちょっとマイナスな受け止め方になったりして・・・。
とか何とか言っているうちに<お正月>は来てしまいます。
どうせならすべてリセットし、明るく迎えようと言うことで、今日は<落語会>を紹介致します。
今年は大阪の天満に<繁昌亭>という常設の落語小屋が出来、活況を呈しているようですが、それより前から、お正月3が日に落語を聞かせてくれる場所がありました。
天王寺にある<一心寺シアター倶楽>というイベントスペースです。
その名の通り一心寺さんのお隣にあり、劇や演奏会など様々な芸術活動が行われている場所で、毎月21日には落語会も開かれているそうです。
来年もお正月の元旦から3日まで、<上方落語一心寺亭>と銘打って落語会が開かれます。
いずれの日もお昼12時から受付開始、12時半開場、13時から開演で16時頃終演予定となっています。
私は昨年、一昨年と2回観に行きましたが、とても楽しかったです。
超大御所とまでは行きませんが有名な落語家さん、中堅さん、そして若手さんの落語を楽しむことが出来ます。
今年の出演噺家さんは次の通りです。
元旦 笑福亭松喬 桂小春團治 桂団朝 桂壱之輔 さん
2日 桂春団冶 桂小春團治 笑福亭銀瓶 桂阿か枝 さん
3日 林家染丸 桂小春團治 桂あやめ 桂歌々志 さん
お値段ですが、これがすこぶる安い。
当日 ¥1500 前売りだと¥1000ぽっきりなんです。
12/28までは受付をされていますので、興味にある方はぜひ予約をして前売り料金で観に行って下さい。
電話 06−6774−4002
上記の一心寺シアター倶楽のサイトからも予約が可能です。
ちなみに私は1/2の公演を予約しました。
皆さんもぜひ“初笑い”で2007年をスタートさせて下さい。
2006年08月06日
イッセー尾形さんの一人芝居 『イッセー尾形のとまらない生活超スペシャルin大阪』
7/4付の記事で書きましたが、イッセー尾形さんの一人芝居『イッセー尾形のとまらない生活超スペシャルin大阪』を7/23の夕方に観て来ました。
今回の会場は大阪市旭区にある<大阪市芸術創造館> 芸術PIT(3F)でした。
最寄り駅は地下鉄谷町線千林大宮駅とのことでしたので、地下鉄で行ってみることに。梅田以北は乗った事がないのでちょっとドキドキ。
駅から会場までの間には結構レトロな建物が。広い道路幅やバスの路線となっている事から、昔からのメインストリートだったことが推測されます。
外観はこんな感じ。確かに芸術っぽい感じもしますね。
ですが、玄関上の表示によると、どうやら旭区の複合施設のようです。
ちょっと大きめのエレベーターで3階へ。受付でお金を支払い会場である芸術PITへ。
内部は全体に黒が基調で、薄暗い感じ。確かに90数席を謳うだけあって、こじんまりしたスペースでした。
ビックリしたのは、舞台のすぐ前部分の空間に3−4列分の座布団席が設けられていた事です。その後ろから椅子席が始まります。
座布団席の1列目など、本当にすぐ前が舞台なんですから、私だったら逆に近すぎて緊張してしまいそうです。
会場に入ったとき、サイズは全く違うのですが、阿倍野近鉄百貨店内の近鉄アート館に似た雰囲気を感じてしまいました。
理由は分かりませんが、なぜかそんな印象を待ったのです。
お芝居開始前の舞台はこんな感じでした。透明な台が1つ置かれていました。
そして舞台の始まりです。
イッセーさんの演じる人々はどれも独特の個性を持った人ばかり。
まずは、突然お店に現れ、髪のセットをして欲しいと言うおばあちゃんのお話から始まりました。
ちょっと上流風な態度の彼女、じつは丘の上の老人ホームからこっそり抜け出してきたとの事。
ホームでされたヘアカットが気に入らないのでちゃんとしたお店でしてもらおうと出てきたのですが、お店のスタッフを捕まえ、一方的に思い出話をしゃべりまくります。
そして、ひとしきりしゃべった後にストンとオチが来ました。
次は山の中腹にスーツ姿で現れ、電波状況が不安定な中、必死に携帯電話をかけようとする部長か課長クラスのサラリーマン。
山へやってきた若者グループや、研修社員、定年退職したハイカー達とのやり取りが笑わせます。
そして、今度は若者に変身。世間に対し自分をアピールする手段として<焼畑>をしようと企むのですが、インターネットのブログにそれを書き込んだ所、思わぬ返事か返ってきて・・・。
非常に今風なネタでした。
次は年の頃なら40歳を過ぎた感じのカップルのお話です。
温室を訪れたカップル、男性の方は相手に流されやすいオドオドした感じ。一方の女性の方は精神的に不安定な部分を持つ、不思議系なキャラクター。
鳥オタクである彼は、植物園内に放されている鳥について非常にマニアックな話を彼女に聞かせます。
でも、自分の思いを伝える事が出来ません。
そこで出てきたのが、前夜寝られなかったので作ったという“ドンキホーテのマペット”です。
これを右手にはめる事により、彼はドンキホーテを通して思いを吐露するのでした。
そして彼女と手を繋ぐ。・・・個性の強いもの同士のカップル誕生ですので、“微妙”にホッコリするラストでした。
(男女とも自分が相手の立場だったら絶対に惚れないキャラクターだったので・・・“微妙”としか言えませんでした)
次はお肉を届けに来た肉屋さんのお話。
ドングリだけを食べさせて育てたとてもいいブタ肉を届けに来たのですが、相手はお留守。
そこで、そのお宅の前を通る人々にあれこれと自分の昔話を投げかけるのですが・・・。
彼の、なかなかありえない過去の経歴に笑わされます。
次は居酒屋さんでアルバイトをするお姉さんお話。
でも、アルバイトしているのはドイツにある居酒屋さん。これからして変です。
日本人客からの注文に対応するのですが、かなりなおマヌさんで、ミスを連発。
お客さんとの会話の中で、一緒にアルバイトをしている別の女性の話をするのですが、それらは全て彼女の勝手な想像の上でのお話。ですが、そのかっ飛んだ想像力に笑わされてしまいます。
次は一気に若くなり、男子高校生です。
京都駅で帰りの新幹線を待つ広島県から来た修学旅行生という設定なのですが、彼が演じたのはクラスや学年に必ず一人はいるちょっと悪ぶるおどけキャラです。
大阪の人間も笑ってしまう微妙に違う広島弁で押し通し、今では絶対に買わないであろう修学旅行のお土産品“木刀”を小道具に使う力技的なお話でした。
最後はフォークソング全盛時代から続けているというフォークギター弾きのコンサートのお話。
それも近くの広場での“夏の早朝コンサート”という設定。
合計5曲を歌うのですが、演奏中に入るアクシデントの数々。そしてギター以外にも準備してある小道具の楽器にも笑わされました。
ラストの5曲目は正統派、<今日の日はさようなら>で締めくくられました。
アンコールの拍手に応えてもうひと(人?)ネタの披露です。
ピザを届けに来たフリーターの金髪バイト君のお話です。
彼はどこかの会社の寮にピザを届けに来たのですが、頼んだ本人は外出中の様子。
何度も注文主の名前を叫ぶ彼に対し、腹を立て出て来た他の住人達との掛け合いに笑わされました。
舞台終了後、イッセー尾形さんは3日間の公演を振り返り、『自分の生まれたところのような3日間』との感想を述べておられました。
感想を述べられた後、『業務連絡なんですけど・・・』とのことで、小説を出した事をお話されました。
(公演終了後、早速購入し、息子宛のサインを貰いました。彼への将来のプレゼントです。)
消える男
小説のタイトルは消える男。これを記念して?“消える男の歌”を作ったとの事で演奏してくれました。
ウクレレと小さめのドラムセットでの演奏です。
東京の本屋さんでの出版記念サイン会の時に初めて歌っただけとのことでした。
歌いだしは “見果てぬ夢を見果ててしまいー♪”
途中に 『僕は幸せなのかなー、嬉しかったり寂しかったり、これが幸せなのかなー なんちゃって』というセリフが入ったりもします。
歌詞は3番までありました。いずれもラストは“うずくまるー♪ オーイエー♪”で終わっていました。
今回の一人芝居『イッセー尾形のとまらない生活超スペシャルin大阪』、サラリーマンのお話のオチがちょっと物足りなかった以外はどれも非常に楽しいお話ばかりでした。
全く同じ演目での舞台はないでしょうが、今回のお話のうちの幾つかは別の舞台でも演じられると思いますので、お近くでの公演があるようでしたらぜひ見に行ってみて下さい。
2006年07月04日
プラチナチケットでしょう、きっと (イッセー尾形のとまらない生活超スペシャルin大阪)
『何のチケットか?』って、イッセー尾形の一人芝居のチケットです。
お話は6月24日(土)に遡ります。
この日の夜、一通の封筒が届いておりました。(封筒に気付いたのは翌日の日曜日でした)
差出人は<森田オフィス>、イッセー尾形さんの所属事務所からのものでした。
開けてみるとチラシが入っていました。裏表両面に印刷がされています。
表面はイッセー尾形さんの一人芝居のお知らせ、裏面はイッセー尾形さんと一般の方とが一緒になって行なうお芝居のワークショップのお知らせでした。
どちらも <大阪市芸術創造館> という場所で行なわれるとのこと。 でも、初めて聞く場所です。
チラシを読んでみてビックリ!『今回は特別に大阪市の提供で96席限定の会です』と書かれています。
今年の春、小松政夫さんとの二人芝居で、大阪城そばの<シアターブラバ>を連日満員にした(定員は1000名超くらいの劇場です)イッセ−尾形さんがたった96席しかない小劇場に立たれるなんて普通はありえないことです。
それも1日1公演で合計6日間、単純に合計しても、シアターブラバ1公演の半分くらいのお客様数にしかなりません。
私も夫婦でシアターブラバでのお芝居を観に行きましたが、2階席で小さくしか見えませんでした。
しかし今回は席数96席。1列10人としても前から10列目までの距離です。もうイッセー尾形さんは目と鼻の先位の距離です。
そこで、身重の妻と相談し、同封してある返信はがきで申し込みをしてみることに。
でも良く見てみると、『6/26必着で』と書かれています。この時すでに6/25(日)の夜。
どう考えても6/26に東京都世田谷区にある森田オフィスに着くのは無理です。
仕方が無いので、6/26の朝、森田オフィスへはがきだと間に合わない旨の事情を書いて、チケット申し込みFAXを送りました。
倍率の高さが予想されるので半分諦めていたのですが・・・。
そのチケットが昨晩届いたのでした。
中に同封されていたお手紙には、抽選に際して、郵便事情でお知らせが締切日に間に合わない方が多数いた為、締切日を延長した上で抽選しましたとのコメントがありました。
いつもながら、出来るだけ公平になるよう配慮されている森田オフィスさんの姿勢がうかがわれ、気持ちがホッコリしました。
イッセー尾形さんの一人芝居、《イッセー尾形のとまらない生活超スペシャルin大阪》はチケットが無いと無理ですが、イッセー尾形さんとのワークショップはもしかするとまだ募集されているかもしれません。
イッセー尾形さんに教わりながら一緒に舞台の練習が出来るなんて、ある意味、お芝居を見る以上に贅沢で滅多にない事でしょう。
(ワークショップの発表会ではもちろんイッセー尾形さんも出演して下さいますよ)
今回は大阪市がイッセ−尾形さんをワークショップで招聘されたそうですが、次回も大阪市が呼んでくれるかどうか?
行政のやることですので、あまり期待は出来ないと思います。
ワークショップにご興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、ダメもとで、一度お問い合わせされてみては如何でしょうか?
会場は、大阪市芸術創造館 芸術PIT(3F)最寄り駅は地下鉄谷町線千林大宮か京阪森小路駅(いずれも徒歩10分)です。
ワークショップは7/20(木)開始で7/27(木)まで、一回2時間で、毎日開催されます。もちろんイッセー尾形さんは参加されます。
ワークショップ参加費は1日¥1000とリーズナブル。
そして発表会が7/28(金)から7/30(日)までイッセー尾形さんの一人芝居終了後に開催されます。
イッセー尾形さんのお芝居を見たお客様も、観客としてそのまま多く残られるのではないでしょうか?(最大96名ですが)
お問合せ先は 森田オフィス FAX 03-3705-0520 です。
2006年06月29日
ファントム公演二日目を観て(宝塚歌劇 花組公演)
6/24午後、<ファントム>を観に宝塚大劇場へ行きました。
前日の6/23から始まったばかりでまだ3回目の公演でした。
当日は梅雨の中休みで割合良いお天気、暑い位でした。
我々が観たのはVISAカード会員の貸切公演、2階席の1列目という割合よい条件の席でした。
今回の公演は花組の娘役トップ、桜乃彩音(さくらのあやね)さんの宝塚大劇場でのお披露目公演にもなっており演目と共に注目度は大な作品です。
<ファントム>という題名が示す通り、今回のミュージカルは<オペラ座の怪人>を宝塚歌劇風にアレンジした作品です。
作品自体は2004年に和央ようか、花總まりさんのコンビで宙組が演じていますが、今回は一部を変更しているそうです。
花組版では、ファントム役を春野寿美礼(はるのすみれ)、ヒロイン、クリスティーヌ役を桜乃彩音(さくらのあやね)さんが演じられました。
今回は大きく2幕に分かれています。
1幕目ではクリスティーヌのオペラ座入団からファントムとの出会いと彼による歌の指導、クリスティーナが初舞台で受けたひどい嫌がらせと、それに怒ったファントムによる彼女の連れ去りまでが、
2幕目ではクリスティーナに請われ自分の素顔を見せてしまったファントムの苦悩、そして悲しい結末へと物語は進んで行きます。
大まかなストーリーについては宝塚歌劇団の公式ホームページをお読み頂ければ幸いです。
一般に<オペラ座の怪人>と言うと、暗くオドロオドロしいイメージがありますが、今回の花組版ではおどろおどろしさは控えた感じになっています。
2幕目はファントムが暮らすオペラ座地下でのシーンが多く、おどろおどろしい雰囲気がありましたが、1幕目ではそれは殆ど感じられませんでした。
逆に衣装、舞台全体の雰囲気ともに明るい感じすらしました。
ファントムはじめ皆の心にもう少し影の部分を持たせてもよかったかと思います。
この部分が、賛否両論となるかもしれません。
花組公演の<ファントム>、男女の愛情のみならず母の愛情、そして父と子の愛情までを織り込んだ悲しくも素晴らしい作品です。
宝塚大劇場での公演は8/7(月)までです。
その後舞台を東京宝塚劇場に移し、8/25から10/1まで演じられます。
ミュージカル終了後のレビューショーも、少し短めではありましたが、黒と赤を基調とした素晴らしいものでした。
<ファントム>、お薦め出来る作品です。
追記:今回の公演途中のこと。
ファントムの子供時代を演じていたジェンヌさんなのですが、登場してすぐ、彼女の被っていたかつらが落ちてしまうというハプニングがありました。
非常に重要な場面であった為、かつらの無いまま演じ切られましたが、内心はたまらなかっただろうと思います。
正直ちょっとしまらない感じはしましたが、しっかりとした演技と、周りのジェンヌさんのフォローには感嘆しました。
やはりこれがタカラヅカと言うものなのでしょうね。
今回のポスターは宝塚歌劇団公式HPのものをお借りしました。
2006年05月29日
ぎりぎりセーフな作品でした(宝塚歌劇 ロック・オペラ 暁のローマ)
宝塚大劇場での宝塚歌劇 月組公演の作品 <ロック・オペラ 暁のローマ> を観て来ました。
シェイクスピアの<ジュリアスシーザー>を原作とし、現代風のリズミカルなロック音楽を基調としたオペラでした。
主人公はブルータス。演じるのは月組男役トップの瀬奈じゅんさん。
カエサル(ジュリアスシ−ザー)役は専科から轟 悠さん、という二大トップスターでの劇となっていました。
この日の公演はスポンサーがついた貸切公演でしたので、オペラ開始前に遥ようこさんの司会で、月組の夏河ゆらさんの挨拶がありました。
ストーリーは次の通りです。
共和制体制下の古代ローマ、戦争に勝利したカエサルは事実上ローマの指導者的立場にありました。
だが、その彼に対し王冠を捧げようとする副将のアントニウスにローマ市民は疑問を抱き始めます。
過去の王政支配に戻るのではないかと。
カエサルがその将来に期待を寄せる若者ブルータスも、王になるつもりはないというカエサルの本心に疑問を持っていました。
そこへ現れたエジプトの女王クレオパトラ。彼女が連れてきたのはカエサルとの間に出来た赤ん坊でした。
2人のやり取りからカエサルが野心を抱いているのではないかとの疑念を持ったブルータスはカエサルに「あなたは王なのか」と問いただします。
「王ではないが自分がこのローマを治めるのだ」と答えるカエサルに対し、「ローマの理想である共和制はどうなるのか」と詰め寄るブルータス。
それに対し「時代と共に理想も変わり、今のローマは指導者を求めている」と、自分の考えを述べるカエサル。カエサルは自らの手で豊かな国を創り上げようとローマの新たな未来を思い描いていたのです。
一方のブルータスはカエサルへの尊敬の気持ちとローマを愛する気持ちの間で大きく揺れ動くのでした。
妻、ボルキアとのやり取りの末、ブルータスは“誰の物でもないローマ、皆で守り築くローマ”を自分が愛している事を再確認し、友人カシウスと共にカエサル暗殺を実行するのでした。
元老院会議の場で実行された暗殺計画。最後のとどめを刺したのが他ならぬブルータスである事を知ったカエサルは「ブルータス、おまえもか・・・。ならばいい。」と微笑を浮かべて息を引き取るのでした。
その翌日、カエサルの死に動揺するローマ市民に対し、ブルータスはカエサルの勇敢さ、偉大さを讃えつつも、カエサルがローマを自分の物にしようと野心を抱いていたと訴えます。それには死を持って報いるしかなかったのだと。
ブルータスの演説にローマ市民達が賛同の歓声をあげる中、カエサルの副将であったアントニウスが演説を始めます。
彼はブルータスを褒め讃える言葉を繰り返しながらも、カエサルが如何にローマ市民を愛していたかを訴えかけます。
市民達はアントニウスの演説に強く心を動かされ、カエサルこそがローマの父であったと理解し、彼を殺したブルータスに敵意の目を向けるのです。
さらに妻まで失い絶望するブルータスの前にカエサルの幻が現れこう言います。「終わりが全てを決めるのだ」
アントニウス、そしてカエサルの養子として後を継いだ甥のオクタヴィアヌスらにより追い詰められるブルータス。
戦闘により次々に仲間を失い、最後には、心からの愛を注いでくれた人々への思いを胸に自らの命を絶つブルータス。
その後、ローマを愛していた彼の思いを讃えアントニウス、オクタヴィアヌスは丁重に彼を葬るのでした。
今回の題材自体が華やかさに欠ける物であった上に、曲調がロックだったという部分で宝塚ファンの方には非常に評価が難しい作品だったと思います。
ロック調に合わせた衣装の色合いやデザイン、振り付けにも苦労されたであろうことが想像されます。当然、史実にある衣装からは少々離れざるを得ないようでしたが。
当たり前の事ですが、タカラジェンヌの方々は非常に熱心に演じておられました。
ですが作品としては賛否両論があるだろうと想像されます。
テーマがテーマだけに“だれて”しまいそうになる部分が結構ありました。
それを救ってくれるのが、幕間の準備中にアントニウス役の霧矢 大夢(ひろむ)さんと、オクタヴィアヌス役の北翔 海莉さんが劇の進行内容に関してやってくれる掛け合い漫才です。
お二方の掛け合いに結構笑わせてもらいました。(オープニングもいきなり掛け合いから始まるんですからちょっとびっくりでした)
ロックオペラにこだわるのであれば無理に新作<暁のローマ>を作るのではなく、有名なミュージカルの<ジーザスクライストザスーパースター>を演じても良かった気がします。
こちらは元からロック調の作品ですのでもっと自然な感じが出せたかもしれないと思いました。
(上映中の映画“ダヴィンチコード”との絡みで面白いテーマになったかもしれませんしね。)
今回の演出家さんは昨年不評だったこの作品の脚本・演出をされていたので、申し訳ありませんが、その作品と比較すると、今回は何度も滑りそうな部分はあったのですが、最後まで何とか持ちこたえた作品だと思いますので、私個人としては、ぎりぎりセーフの出来映えだと思います。
一方、2部のレビュー<レ・ビジュー・ブリアン>は題名通り、きらめく宝石のように煌びやかなレビューショーでした。
様々な宝石をイメージした舞台デザインと共に踊りが繰り広げられていきます。こちらの方については何ら不満はありません。タカラヅカらしい美しい作品です。
レビューのフィナーレでは、毎回その組のトップスターが背中に大きな羽根飾りを背負って登場されるのですが、今回は男役が2枚看板でしたので、月組男役トップの瀬奈じゅんさんと専科から出演の轟 悠さんのお2人が共に羽根飾りをつけるという珍しいフィナーレを見る事が出来ました。今回の羽根は白を基調とし、そこに黒を加えることによりコントラストをはっきりさせた美しく且つカッコいい羽根飾りでした。
レビュー終了後にも出演者との短いトークショーが特別に設けられ、ブルータスを演じられた瀬奈 じゅんさんが登場されました。
この日はちょうど母の日でしたので、「お母様にプレゼントは?」との質問に「役の上で自分の母親を演じてくれている嘉月 絵理さんの化粧台に花束を置いておきました」とのエピソードを話されました。
また、お芝居についての感想としては、「ちょうど公演3日目でやっと落ち着いてきたところです」との返事。
役を演じる上での工夫としては「“ローマを愛し、カエサルを愛す”という苦悩を表現する為、両方に対する思いを同じ比重で演じるのに苦労しています」と話されました。
レビューでは、最前列のお客様の中の1人に対し、「僕とダイヤのどっちが欲しい」と尋ねるシーンがあり、この3日間の公演ではまだダイヤモンドと言った人はいないのですが、この先、もし“ダイヤモンド”という人が出たら、「覚えてろ!!」って言ってやりたいですと笑って仰いました。
あれからちょうど2週間、ダイヤモンドと言った人がでたかどうかは知りませんが、今回のちょっと変わったロックオペラ、そして煌びやかなレビューショー、興味を持たれた方がいらっしゃいましたら劇場へ足をお運びください。
宝塚大劇場での月組公演は6/19まで、その後、場所を東京宝塚劇場に移し7/7から8/20まで公演の予定です。
今回掲載したポスターは宝塚歌劇のホームページのものを使用させて頂きました。
2006年05月05日
夜会 VOL.14 24時着00時発 を見てきました (中島みゆき in シアターBRAVA!)
昨夜行ってきました!
中島みゆきの<夜会 VOL.14 24時着00時発>です。
前回までは東京のみでの公演だったのですが、今回、初めて大阪でも上演される事になったのです。
会場は、大阪城のすぐ傍にあるシアターBRAVA!(ブラバ!)です。
開演時間が午後8時からという遅めの時間設定も初めて。帰りの電車がちょっと気になる感じ。
ブラバに到着したのは7時半頃でしたが、いらっしゃってる客層に思わず『年齢層、高(たか)!』。
我々も決して若くはありませんが、目に入るのはそれより上の方々ばかり。
20歳代前後と思しき人々は本当にチラホラとしか見受けられませんでした。
年配のお客さんは逆に『若い人も割と居るなあ』とおっしゃっておられましたが。
中島みゆきデビュー当時からのファン(それとプロジェクトXを見ていたおじ様方もかな)と¥20000という高額な料金設定からすると自然とこうなってしまうのかもしれませんね。
会場内部ではCD、DVD、書籍などの物販と共に、流れていた場内アナウンスによると、オリジナルの“カクテル”を提供されていたようです。
会場入り口付近の写真です。
過去の<夜会>のポスター、そして、<夜会>の舞台模型が展示されて居りました。
<夜会>では毎回変わるこの舞台デザインもファンの楽しみらしいのです。
確かに模型を見る限りでも、凝った感じがします。
今回の舞台については、上演開始前だったのですが、撮影は許可してもらえませんでした。
(何気なく撮影したところ、係のお姉さんに消去をお願いされてしまったのです)
仕方が無いので、文章のみで説明させて頂きます。
開始前の舞台は非常にシンプルな状態です。
左右の壁にはニューヨークの裏町のビルについているような鉄製の階段がついており、出入り出来そうな穴が開けてあります。
ちょうど3階建ての建物といった感じですね。
舞台中央には四角いテーブルと椅子。テーブルの上にはミシンが1台置いてあります。
舞台下には楽器と人の姿が。どうやらここで演奏するようです。
いよいよ舞台の始まりです。
真っ暗な会場の天井には無数のライトの星が煌きます。そして蒸気機関車の走り過ぎる音。
続いて遮断機の音と通過する列車音。
そして舞台に向かって右手から中島みゆきの登場です。
大きなつばの帽子に、全身をすっぽり被うマント状の物を着ています。
雰囲気は暗く一種異様な感じです。
そしてスタンドマイクの前でセリフを語り歌を歌って、中央へ移動。舞台は薄暗いままです。
そこで帽子とマントを取ると、ピンク(薄紫?)系のワンピース風の衣装に。
中央の椅子に座り、ミシンで縫い物をする仕草をしながら歌います。
マイクはずっと片手に持ったままです。
歌い終わる頃、夫らしき人が疲れて帰ってきます。
ちょっとしたセリフのやり取り後、夫は舞台から去り、みゆきは再びミシンの前に。そして出来上がった小さな服を高く掲げた後、変調を起こし舞台中央に大の字になって倒れます。
さあ、一体どうなるのか?(これで終わったら泥棒ですが)
ここからお話は想像もつかない方向へ進んでいきます。
舞台は大きく分けて2幕構成です。
1幕の途中から出てくる奇妙なホテル、その名も<ミラージュ ホテル>。
“蜃気楼”という名前の通り、中島みゆきの歌に合わせ、幻影的、いえ、幻想的な舞台が繰り広げられていきます。
いわゆる<ミュージカル>とは一線を画する独自スタイルの歌謡劇といったらよいのでしょうか?
ストーリー先行ではなく、中島みゆきの歌の歌詞(の持つイメージ)を具現化したらこのようなお話になっていったという印象を受けました。
中島みゆきが自身が私達に見せてくれた《リアル(=体感できる) 中島みゆきワールド》。
良い意味での“不思議”感に観客を包んだまま終わる舞台でした。
舞台展開も多く、道具や効果にも凝っています。何人もの俳優さんも登場します。
そして、中島みゆきさんは終始決してハンドマイクを離すこと無く舞台を終えられます。
他の方は全員ピンマイク使用だと思いますので、このマイクを持ち続ける行為により
<夜会>は「あくまでもお芝居ではなく歌である」
と中島みゆきさんが表現されているのかと思いました。
今回の<夜会>を観た私にとって最も重要だった点、
それは“中島みゆきさんの歌う歌はどれひとつとして聞き取れない歌詞は無かった”ということです。
確かに歌詞やセリフの中には聞き慣れない難しい単語も多く出てきますが、聞き取れないという事はありませんでした。
今まで見てきた他のアーティストのコンサートや舞台には無かった<新鮮な驚き>でした。
日本語や言葉という物を大切にされていればこそ可能となる技術だと思います。
それが可能な中島みゆきさんのアーティストとしてのすごさを感じられた舞台でもありました。
どんな芸術やものづくりでも同じです。まずきちんとした形(基礎)が出来ているからこそ、上手に崩せると思うのです。
だからこそ崩しても、それを多くの人が理解出来るのでしょう。
最近は様々な分野で“我流”だけの人が増えてきたように思います。一歩間違えば単なる“自分勝手”にもなりかねません。
今の日本社会はどうですか?
昔は当たり前だった事。
今の私達がまね出来ないような難しい事ではありません。
そしてその多くは、人と人とが社会を形成していく上での基本となることばかりであったと思います。
つい20−30年前までは当たり前のようにみんなが出来たこれらの基本。
私を含めた“我流”な皆さん!基本が出来ているかちょっと振り返ってみませんか?
『あいつもやっているから俺も良いんだ!』じゃなく『人の振り見て我が振り直せ!』でいきましょう。
今日の記事内容から路線が変わってしまいましたが(“路線が変わる”は<夜会>のキーワードでした)、
中島みゆきの<夜会>、プラチナチケットではありますが、当日券も若干出ているようですので、チャンスがあればぜひ見て下さい。
値段だけのことはあると思いますよ。
2006年04月05日
テンポと展開がグッド!久々に気持ち良い作品です。(宝塚歌劇 宙組公演 NEVER SAY GOODBYE ある愛の軌跡)
今年に入り、宝塚大劇場や梅田芸術劇場、シアタードラマシティー等で何本かの宝塚作品を観て来ました。
“宝塚”=“ベルばら”ですので、<ベルサイユのばら>は別格ですが、それ以外の作品はいずれもどこかに?が付く印象がありました。
もちろん宝塚歌劇ですから舞台も、踊りも演技自体は申し分ないのですが、ストーリーや演出に?が付いてしまっていたのです。
ですが今回の作品は久しぶりに「宝塚らしさ」が発揮された良い出来栄えだと感じました。
作品名は <NEVER SAY GOODBYE ある愛の軌跡>
舞台は1930年代後半のスペインです。
民衆の力により共和制国家が樹立されたスペイン。
ですが、それもつかの間、すぐに時代の波が襲ってきます。
ファシズムと、社会主義勢力が樹立間もない共和国に忍び寄って来たのです。
そしてとうとう、国内を2分し、自国民同士が互いに争う内戦へと突入しました。
その渦中に“真実を記録する為”自ら望んで身を投じた写真家のジョルジュと女流作家のキャサリン。純粋な心で真正面からスペイン内戦に向き合う2人の運命を美しくそして悲しく綴った物語でした。
世界的なヒット・ミュージカル「ジキルとハイド」の作曲家である、ブロードウェイのフランク・ワイルドホーン氏が全曲書き下ろす情熱的なスペイン音楽。そして「レ・ミゼラブル」張りの“銃を手にした民衆達”の表現手法。
劇は2部構成でしたが、特に1部の方はグイグイ引っ張っていくテンポで、時間はあっという間に感じられました。
また、今回は宝塚音楽学校を卒業した第92期生の新人タカラジェンヌ達のお披露目公演となるとともに、この公演をもって去る和央ようか、花總まり両タカラジェンヌの退団公演にもなります。初々しさとベテランの演技も混ざった公演内容でした。
今回の作品では、写真家が主人公でしたが、ちょうど今、サントリーミュージアム天保山では4/16までの予定で<写真家アンリ・カルティエ=ブレッソン展>が開催されています。
今回のモデルともなった、戦場写真で有名なロバート・キャパと共に写真家集団「マグナム」を主催していたメンバーの一人で、彼も戦場で撮った作品を残していたと思います。
ご覧のようにそれ以外の写真作品も多数展示されていますので、写真や写真家に興味を持たれた方は一度ご覧になられる事をお勧め致します。
ポスター及び写真はそれぞれ宝塚歌劇HPとサントリーミュージアムHPより引用させて頂きました。
2006年03月25日
イッセー尾形 二人芝居 in シアターブラバ
3/18の夜、久しぶりにイッセー尾形さんのお芝居を見に行きました。
市内の劇場が年と共に減っていく上、公演会場も大阪市内から少し離れた所になったりと、ますますチケットが取りにくい状態になってきた大阪でのイッセー尾形さんのお芝居ですが、ブラバ友の会会員になることで、今回どうにか取る事が出来ました。
今回の舞台の題名は
<小松政夫×イッセー尾形のびーめん生活 2006>。
題名の通り、小松政夫さんとの2人芝居に挑戦です。それもここ大阪が新ネタおろしの最初の場所になるとの事。
当日は生憎の雨模様。コート無しでは寒い状態でした。
ですが、お客様の雰囲気はこの天気をものともしないくらいに盛り上がっています。
一見した所、若者から年配の方まで幅広い層のお客様がいらっしゃっているようでした。
前日が初日で、翌3/19までの3日間、合計3ステージのちょうど真ん中の公演日でした。
入場の際に渡された感想を書くアンケート用紙には、初日のお芝居が盛況であった事、その事が2人にとってどれほど誇らしいものとなり今日の舞台に輝きを与える事になるであろうかということ、そして昨日のお客様の残された感想に対する感謝の気持ちがさりげなく綴られてありました。
今まで何度かイッセー尾形さんの舞台を見てきましたが、これほど大きな舞台での公演を見るのは初めてです。2階席しか取れなかったのできちんと見えるのかちょっと心配したほどです。
公演開始です。
1幕目では2人の会話の掛け合いにどこか大きめの“間(ま)”を感じ、なんだかちょっとぎこちない印象を持ちました。
しかし、2幕目以降では逆に2人の作り出す“微妙な不安定さを含んだ独特の間合い”にすっかりはまってしまい、笑い、楽しませてもらいました。
最後の幕では、微妙にウルッと来る琴線をくすぐられたりと非常に楽しく素敵な公演でした。
小松さんと言えば、幼少期に見ていた<見ごろ、食べごろ、笑いごろ>というテレビ番組中で演じられていたおバカな息子役にあったような、おとぼけキャラと言うイメージが私の中にはずーっとありました。もちろん、様々な舞台で名脇役を演じておられることもテレビ中継で観たりして良く知っているのですが・・・。
ですが、今回、なまのその演技に触れることが出来て完全に払拭することが出来ました。
舞台終了後、お2人から今日の舞台についてのお話がありました。
舞台進行に際し、イッセーさんはアドリブの台詞まわしをどんどん小松さんに投げかけておられたとの事でした。1幕目に感じたぎこちなさの理由がこれではっきり分かりました。
イッセーさんはそれをしっかり受け、返してきてくれる小松さんに、小松さんは自身が経験する事の少ない今回のような舞台に参加させてくれたイッセーさんに対し敬意と感謝を述べられました。
2人きりの長丁場の舞台にもかかわらず、舞台終了後には引き続き、商品購入されたファンの方のためにサイン会を開かれ、笑顔で対応されておられました。
これがなぜここにあるのか知りたい方は、ぜひお2人の公演をご覧になってみて下さい。
ただし、<小松政夫×イッセー尾形のびーめん生活 2006>、今のところ別の場所での開催のお知らせはイッセー尾形さんの公式サイトには出ておりませんので、是非皆さんからリクエストしてあげて下さいね。きっとご両人とも喜ばれると思いますよ。
2006年03月20日
悪くはなかったんですけど・・・
3/11土曜日の夜、大阪城の近くにあるシアターブラバへミュージカルを見に行きました。
今回の演目は<家なき子>。
正直、「子供向けじゃないの?」とあまり乗り気ではありませんでした。
劇場に着くと、確かに子供の姿は目に付きますが、年齢層はそう低くはないようでした。
そして、いよいよミュージカルの開始。予定時間の夜7時より5分ほど遅れてのスタートでした。
ミュージカルだからでしょうか?自分達が知っていたストーリー展開や登場人物などの点で、所々違っていたような気がしました。
実際、登場人物自体も少なく、また、イメージ表現でしょうか?舞台の左右には、顔の上半分にお面を付け表情を隠したちょっと不気味な感じのする人形らしい役の子供達が多数、劇の初めから終わりまで登場しており、ストーリー展開とともに独特な雰囲気を見せながら、動き、歌っていました。
このミュージカルの中で終始訴えていたのは、“前へ前へ、進め進め”“前へ前へ、登れ登れ”・・・悪い状況に甘んじるのではなく、良くなるように目標を持って進みなさい。
そして、“願い続ければ、望み続ければ、その思いはきっと適う”ということでした。
ミュージカル中のイメージ表現の方法には難しいものもあり、決して子供向けだけというものではありませんでしたし、俳優さんも名の知れた方が出演しておられました。
ただ、ラストシーンで舞台上の人形役だった子供達がお面をとって明るく歌いだした瞬間、劇場内は拍手とともに、舞台方向に手を振ったり指差したりする大人達でいっぱいになりました。特に舞台に近い列の席の人ほどです。
これで、今回のミュージカルの観客の年齢層が思った以上に高かったのかが良く分かりました。観客のうち、多くの方が舞台上に居る子供達の家族や知り合いの方々だったようなのです。
確かに出演する人形役の子役が多いお芝居でしたが、客席がこんな雰囲気になるミュージカルは初体験で、ある意味“新鮮”でした。
今回のミュージカル、頂いた宣伝用チラシによると主催・製作は『劇団ひまわり』とのこと。
なるほど、子供達の数が多かった理由が分かりました。。
そういった意味では、これは劇団による“豪華キャストと凝ったストーリーでお送りする<壮大な学芸発表会>”的な作品だったのでしょうか。