2006年06月26日
スウィングのコンピレーションアルバム発見(RCAレーベルのスウィング音楽集)
以前の記事の中で“スウィング”ジャズが好きだというお話を書きましたが、昨日CDショップに出掛けた時、こんなCDを見つけました。
<RCA SWING 100>というスウィングの曲ばかりを集めたコンピレーションアルバムです。
以前から、ちょっと気になっていたのですが、映画のテーマソングやマンボを始めとするラテン音楽を聞いた時にもスウィングジャズを聴いた時に感じる雰囲気を感じる気がしていました。
単純に、演奏に使用する楽器が似たような物同士だからそう感じるのかと思っていました。
ところが、今回紹介するこの<RCA SWING 100>にもラテン音楽やスクリーンミュージックが含まれておりちょっと不思議な気がしました。
そこで中に入っていた解説書を読んでみたところ、今までの疑問は一気に解決しました。
これによると、“スウィング”という言葉は1930年前後、「音楽の上で、強いリズムを持つ時」に使われるようになり、それがいつの間にか、ジャズの色々なスタイルやサウンドの中で特にスウィングしているジャズを“スウィング・ジャズ”と称するようになったらしいのです。
ジャズの歴史の上で、“スウィング”がはっきりとジャズの演奏とヴォーカルの面で使用されたのは、デューク・エリントン楽団が1ヴォーカルにアイヴィー・アンダーソンという女性歌手を起用し930年代にレコーディングして発表した<It Don't Mean A Thing, If It Ain't Got That Swing (邦題 スウィングしなけりゃ意味がない)>というタイトルの曲だと言われています。
また、ベニーグッドマンはもっと広く多くの方にジャズを聴いてもらいたいと考え、1938年1月16日にクラシックの殿堂である、カーネギー・ホールでコンサートを開きました。
この時、カーネギー・ホールの掲示板には『カーネギー・ホールの歴史上最初のコンサート ベニーグッドマン & ヒズ スウィング オーケストラ』と書かれており、さらにその下には『スウィングミュージックについての最高のプログラム』と付け加えられていました。
この文章にはどこにも“ジャズ”という文字は入っていません。
これは、当時クラシック音楽を専門に開催してきたカーネギーホールとしては、“ジャズ”という言葉を使うとクラシックファンが軽蔑して来てくれなくなるのではと考え、“ジャズ”に代わる新しい表現として“スウィング音楽”という言葉を使ったのです。
結果、コンサートは満席の大成功を収め、これ以降ベニーグッドマンには“King Of Swing”というニックネームが付けられました。
この後、ベニーグッドマンを先頭に、多くのビッグバンドがスウィングスタイルを標榜して演奏するようになり、これらスウィングバンド達によるレコードが続々とヒットチャート入りし大流行を博したので、この1930年代後半から1940年代の事を<スウィング時代>と呼ぶ事もあります。
音楽的にみると、スウィングのリズムは4ビートを基本とし、強弱のビートがはっきりしているので、自然に手足を揺らしたくなる気持ちにさせてくれます。
ラテン音楽の中でも、この<スウィング時代>に生まれたルンバやマンボといった音楽にはスウィングのリズムが色濃く反映されている為、“スウィング系”の音楽と言っても良いでしょう。
また、この時代以降の映画音楽の中にも“スウィング系”音楽は度々登場してきています。
今回のCD、<RCA SWING 100>では、ビッグバンドによる「A列車で行こう」や「ムーンライト・セレナーデ」などのスタンダードナンバー、「この素晴らしき世界」や「マイ・ファニー・バレンタイン」などのヴォーカル曲、スウィング系である「マンボNo.5」や「コーヒー・ルンバ」などのラテン音楽、そして「アマポーラ」や「ピンク・パンサーのテーマ」といった映画音楽までを網羅した6枚組100曲のCDとなっています。
それでいてお値段はなんと、税込み¥3150です。(写真右上にも写っていますよね)
発売元 BMG JAPAN タイトルは RCAスウィング!100 BVCJ-38101〜6
スウィング入門編として自信を持ってお奨め出来るアルバムです。是非聴いてみて下さいね。
トラックバックURL
この記事へのコメント
学生の頃も、一度JAZZにはまろうかなと思って、本なんか読んでみたのですが、非常に難解な本を選んでしまい、そのままほったらかしになってました。これを機に、楽しんでみます。
ぜひ、お試し下さい。
聞き覚えのある曲が結構あるかと思いますよ。
近年のものはよく分かりませんので、出来れば記事で紹介した方のメルマガなど購読されて見るのも良いかと思います。