2006年04月05日
テンポと展開がグッド!久々に気持ち良い作品です。(宝塚歌劇 宙組公演 NEVER SAY GOODBYE ある愛の軌跡)
今年に入り、宝塚大劇場や梅田芸術劇場、シアタードラマシティー等で何本かの宝塚作品を観て来ました。
“宝塚”=“ベルばら”ですので、<ベルサイユのばら>は別格ですが、それ以外の作品はいずれもどこかに?が付く印象がありました。
もちろん宝塚歌劇ですから舞台も、踊りも演技自体は申し分ないのですが、ストーリーや演出に?が付いてしまっていたのです。
ですが今回の作品は久しぶりに「宝塚らしさ」が発揮された良い出来栄えだと感じました。
作品名は <NEVER SAY GOODBYE ある愛の軌跡>
舞台は1930年代後半のスペインです。
民衆の力により共和制国家が樹立されたスペイン。
ですが、それもつかの間、すぐに時代の波が襲ってきます。
ファシズムと、社会主義勢力が樹立間もない共和国に忍び寄って来たのです。
そしてとうとう、国内を2分し、自国民同士が互いに争う内戦へと突入しました。
その渦中に“真実を記録する為”自ら望んで身を投じた写真家のジョルジュと女流作家のキャサリン。純粋な心で真正面からスペイン内戦に向き合う2人の運命を美しくそして悲しく綴った物語でした。
世界的なヒット・ミュージカル「ジキルとハイド」の作曲家である、ブロードウェイのフランク・ワイルドホーン氏が全曲書き下ろす情熱的なスペイン音楽。そして「レ・ミゼラブル」張りの“銃を手にした民衆達”の表現手法。
劇は2部構成でしたが、特に1部の方はグイグイ引っ張っていくテンポで、時間はあっという間に感じられました。
また、今回は宝塚音楽学校を卒業した第92期生の新人タカラジェンヌ達のお披露目公演となるとともに、この公演をもって去る和央ようか、花總まり両タカラジェンヌの退団公演にもなります。初々しさとベテランの演技も混ざった公演内容でした。
今回の作品では、写真家が主人公でしたが、ちょうど今、サントリーミュージアム天保山では4/16までの予定で<写真家アンリ・カルティエ=ブレッソン展>が開催されています。
今回のモデルともなった、戦場写真で有名なロバート・キャパと共に写真家集団「マグナム」を主催していたメンバーの一人で、彼も戦場で撮った作品を残していたと思います。
ご覧のようにそれ以外の写真作品も多数展示されていますので、写真や写真家に興味を持たれた方は一度ご覧になられる事をお勧め致します。
ポスター及び写真はそれぞれ宝塚歌劇HPとサントリーミュージアムHPより引用させて頂きました。