演劇/大阪府
2006年01月18日
スッキリしたい人、心に元気を与えて欲しい人はぜひ観て下さい。
今回はかなりの期間が経ってから書く記事ですのでどこまで伝えられるか分かりませんが、良い作品だったので書いてみます。
劇団四季の『マンマ・ミーア』。ロングラン作品ですので既にご覧になられた方も多いかと思います。
ストーリーはこんな感じ。
舞台はエーゲ海に浮かぶとある小島。結婚式を明日に控えた娘ソフィはある人の到着を待っています。それは偶然見つけた母ドナの日記に記されていた男性でした。
彼女の夢は<バージンロードを父親と一緒に歩くこと>そこで未婚で自分を生んだ母には内緒で自分の“お父さんかもしれない”母の3人の“元恋人”達に結婚式の招待状を送ったのです。
「父親なら来るはずだ」と。ところが3人ともが揃って来てしまったのです。さらにはそれぞれが“自分が本当の父親だ”と思ってしまいソフィのエスコート役を引き受けたがり、秘密にしていたドナには3人が来ている事が知られ・・・、母・娘そして3人の“父親候補”達がそれぞれに悩みつつ式当日を迎えることになります。
果たして本当の父親は?結婚式は無事に行われるのか?母ドナと3人の“元彼”達とはどうなるのか?様々な事柄をはらみながらストーリーは進んで行きます。
劇中歌は全てアバの有名な曲ばかり。そしてドナがかつて女性バンドを組んでいた時の仲間2人とのやり取りや3人での歌の数々
悲喜こもごもが織り込まれた劇団四季が送る最高の“新喜劇”的な作品です。
コマ劇場や新橋演舞場などでのお芝居と同様、本当によく泣き笑いをさせてくれます。
“ミュージカル”ということで肩肘張って畏まって見に行く必要は全くありません。楽に見に来て下さい。
ラストシーンでは娘を送り出す父親の気持ちが伝わり、まだ子供もいないにもかかわらず不覚にも?涙してしまいました。
このときは『こんな気持ちになるのなら娘はいらない』と本気で思いました。
そして幕は静かに下りてゆきます。
これで終了かと思うと、そうではありません。
この後何が起きるのかは実際に観に行ってご自身で体験して下さい。
年齢なんて関係ありませんし、何より前向きな気持ちになる大きなパワーをもらえます。
劇団四季のミュージカルですから決して安いお値段ではありません。ですが、“ブルーな”気持ちを晴らすために何度もお酒を飲みにいくことを考えれば、その回数を2〜3回控える事で良い席で1回観に行けるだけの額を浮かせられると思いますよ。
ましてや『どうせもう・・・』と思い詰めてしまっている方であれば1万円程度のお金、さらに使ってしまったところでどうってこと無いでしょう。
疑心たっぷりでも結構ですからまずはご覧になってみて下さい。
私が見たときのキャスティングは次の通りでした。
ドナ・シェリダン:早水 小夜子 ソフィ・シェリダン:宮崎 しょうこ
ターニャ:前田美波里 ロージー:青山 弥生
サム・カーマイケル:渡辺 正 ハリー・ブライト:飯野 おさみ
ビル・オースティン:松浦 勇治 スカイ:玉城 任 その他です。
キャスティングによっても印象が異なりますので、もし同じような配役であれば強くお勧めします。
公演はこの春(5/28)までは大阪で続きますので時間はまだ十分あるかと思います。
ぜひとも『マンマ・ミーア!』観てみーや!
2006年01月07日
関西のミュージカル好きの方、お急ぎ下さい。
1/4にミュージカル、『レ・ミゼラブル』を観て来ました。
2部構成、約3時間の大作でした。
既に何度も上演されていますのでご存知の方も多いと思いますが、これはビクトルユーゴー原作の「ああ無情」をミュージカルにしたものです。
お話自体は子供の頃に“世界子供文学集”のような子供向けにアレンジされた本で読んだだけでしたので、所々の記憶しか残っておらず、ラストシーンがどのように書かれていたかは覚えていません。
このミュージカル自身は1990年前後に東京の帝国劇場で行われた公演で一度観た事がありましたので、ミュージカルとしてのストーリーは概略的に把握していました。
ただ、もう10数年前のことですのでどのような感想を持ったかははっきりとしなくなっていました。
ですので今回は先入観は薄れ新たな気持ちで作品を観る事が出来ました。
産業革命後のフランスの貧しい労働者階層にスポットが当てられた作品ですので、煌びやかさは殆ど無く、非常に人間臭い内容となっています。
そしてキリスト教的宗教観にしっかりと色づけられている作品です。
キリスト教に触れた事のある方にとっては、より深く考えさせられる作品だろうと思います。
長く支持され続けているミュージカルですので、是非一度、出来れば二度観て頂きたいと思います。
(一度観ただけでは分かりにくい所が多くあるようで、観客の方々のお話を聞いていると、二回目、三回目で観に来てやっと分かったと話している方々が結構多かったです。)
本当であれば、初日の日に見に行く予定だったのですが、急な都合で行けませんでした。
代わりに行ってもらった人の話では、初日は特別に、以前の公演で俳優として参加していた本田美奈子さんを追悼する時間が設けられていたそうです。
もしご覧になった方が居られましたらどのような内容であったかお教え頂けると嬉しいです。
この『レ・ミゼラブル』、大阪では<梅田芸術劇場(旧称 梅田コマ劇場)>にてこの1/15までの上演との事です。
今回の大阪での上演は8年ぶりとの事ですので、今回を逃すとまた暫く観られないのではないかと思います。
東京の帝国劇場ではもっと頻繁にかつ長期間行われていたはずですので、それと比べると大阪の状況は悲しい限りです。
関西では劇や舞台を見せる劇場がドンドン減っている状態ですので、一人でも多くの方にそのような場所で“生”の作品を観て東京のように守り立てていってもらいたいと願います。
追記:『レ・ミゼラブル』に関してこのようなこのようなサイトがありましたので関心のある方はどうぞ。
上記のポスターは<梅田芸術劇場>のHPより転用させて頂きました。
2005年12月16日
久々に『タカラヅカ』らしい作品でした。
12月上旬にタカラヅカ歌劇を観に行きました。
今回の出し物は『落陽のパレルモ』という劇でした。
イタリアのシチリア島での貴族の令嬢と平民出身の士官との許されぬ恋愛というストーリーです。
ストーリー自体は、はじめからおおよそ結果が予想出来る(4年も観に行っていると・・・)もので、少々無理なストーリー展開の部分もありましたが、この作品の持つ全体の雰囲気は『これぞタカラヅカ』と言いたくなるような宝塚歌劇らしい、美しくまとめ上げられたものとなっていました。
また、二部のレビューはアジア各国、特に、日、中、韓の音楽と衣装を中心として構成されており、曲、踊りとも素晴しく、非常に良く出来た作品でした。
前回、前々回の劇はそれぞれ、今ひとつ、今ふたつの出来栄えでした(出演者は一生懸命の演技で全く非は無かったのですが、脚本自体が良くないと感じました)が、レビューのほうは共に良かったと思います。
前々回の作品については、当然のようにタカラヅカ作品を褒める<浜村淳>さんをして「レビューのほうはよかったです」と言わせたくらいですから、よほど良くなかったのだと思います。
「それもあって」という事ではありませんが、『落陽のパレルモ』お薦めします。
(宝塚大劇場では終了し、次回の東京へと移動中です。)
次回はいよいよ『ベルサイユのばら』です。ビデオやBS放送の映像では見たことのある作品ですが、前回とは異なる出演者で、且つ劇場での生の舞台を見ることになりますので、どんな印象になりますやら、ちょっと楽しみです。
(ポスターはいずれも宝塚歌劇のHPから引用致しました)
2005年07月21日
タカラヅカ喜劇の真骨頂 (アーネスト イン ラヴ)
女性は「華やかだ」とか、「かっこいい」とか、肯定的なイメージをもたれる方が多いようですが、男性、特に年齢の高い方は「男装してのお芝居だし」、とか「あれは女の園だ」とか、「女性が見て楽しむものだ」といったどちらかと言えば否定的なイメージを持たれる割合が高いかと思います。
私自身も結婚後、妻に連れて行かれるまでは、ちょっと苦手に感じておりました。
(男性だけで行ける雰囲気とは思えませんでしたし。)
昭和50年代には関西だけかも知れなかったのですが、毎週土曜日の夕方6時から30分間、確か『オ−タカラヅカ』と言う題名だったと思うのですが、タカラヅカの舞台の模様を放送する番組がありました。私達兄弟はその後6時30分から始まるタイムボカンやヤッターマンが楽しみだったので、6時20分頃にチャンネルを関西テレビに変えると、ちょうどラストシーンや次回予告が流れていました。男ばかりの兄弟でしたから、変な感じに映る番組でしたが、印象には残っていました。
ベルバラブームがあったのもこの頃だったのかもしれません。繁華街のあちこちにそれらしいポスターや、デパートには巨大な垂れ幕が掛かっていたような記憶もあります。
そんな素地?があったかもしれませんが、2001年秋に、初めて宝塚大劇場に入ったときも、なぜか大きな違和感は感じませんでした。ただ、女性の比率がべら棒に高いと言う印象と、男性用トイレの数の少なさと、小ささは実感しましたが。
劇が始まってしまえば、それはそれ。演劇(歌を歌うシーンがふんだんにあるのでミュージカルに属するかと思いますが)としてみても、質は高く、お芝居自体よく出来た作品が多いと感じます。さらに第2部として行われるレヴュー(歌とダンスを織り交ぜたショー)は、華やか、煌びやかで、ラストに、有名な大階段を出演者が順番に降りてくるシーンは間違いなく一見の価値はあると思います。90周年の歴史と伝統は間違いなく良い形で、タカラジェンヌ一人一人が受け継いでいっているんだと確信出来ると思います。(退団後の彼女達の活躍から見ても、彼女達が学んだ『タカラヅカ』のレベルの高さは想像出来ると思います。
そこで、タカラヅカが初めての人にぜひともお勧めしたい作品があります。
それが今回のタイトルに挙げた<アーネスト イン ラブ>です。
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