2006年10月28日
最近の稲刈り事情(大阪近郊農家さんの場合)
大阪でもかなりの場所で稲刈りが終了している様子。
工場の近所でも周りの田んぼはすべて稲刈りが終了しています。
稲刈りの後は稲干しが普通なのですが、最近は様子が違うようです。
以前であれば、このような感じで刈り取られた稲は天日干しされ、その後、脱穀されておりました。
天日干し中はスズメさんがお零れを頂戴しに群がる風景が良く見られたものです。
ですが、最近では、こんな感じに変化してきました。
刈り取られた田んぼには稲を干す姿は見られず、そのかわり農家の小屋からは大きな長い袋が突き出され、細かい粒子と籾殻が吐き出されてきています。
気になったので工場の隣で田んぼと畑を営む農家さんに聞いてみることに。
ちょっとタイミングが遅く、一連の作業は終了した後だったのですが、いろいろと教えて下さいました。
まず、稲刈りと稲干しから。
稲刈りには稲刈り機(コンバイン)を使用しますが、最近の機械の場合には、刈り取ると同時に籾の部分を分離して収穫し、稲わらの部分は小さく裁断してしまうのだそうです。
確かに田んぼには細かく切られた稲わら状のものが広がっていました。
収穫された籾は乾燥機に入れられ乾燥処理され、続いて脱穀・計量袋詰めが施された後、地元の農協の倉庫に納めれれます。
お米の一部は自家使用分としてストックされ、春先以降は農作物用の冷蔵庫に入れ冬眠米として保存して置くそうです。
この冷蔵庫のおかげで春以降にも虫や変質の心配も無く、おいしいお米が食べられるそうです。
乾燥機でお米を乾燥させると、お米が割れたり美味しくなくなったりすると言うイメージがあります。
設定項目の多さ、これなら大丈夫そうです。こんなニッチな分野にまでハイテク技術が導入される時代なんですね。
昔から続いてきた収穫方法、農家の方にとっては手間や無駄の多い作業だったかもしれません。
ですが、その無駄によって、秋から冬の間、餌にありつける動物達もたくさんいたのです。
“自然へのおすそ分け”“自然へのお返し”、日本の素晴らしい精神文化だったのですが・・・。
一連の機械化によってその精神は忘れ去られようとしているようです。
またひとつ“やさしさ”が失われていきます。
昔ながらの稲刈りや稲干し、そして残った稲わらを積み重ねて作った“藁の塔”のある景色。
一部ですが今年もかろうじて残っていました。
懐古主義的と思われるかもしれませんが、まわりを思いやる精神性とともにやっぱり残っていてもらいたい日本の秋の風景です。
