2005年07月26日
カブトムシは強かった(夏祭りの思い出その3)
長くなっていますが、夏祭りの思いでもこれで最終回です。
さて、無事『アカカブト』のつがいを手に入れた私は、意気揚々と家に帰りました。
そこで気づいたのが、「カブトムシを入れるケースを準備していなかった」ということでした。去年使っていたケースは既にアメリカザリガニのお家になっていますし、他に空いている、水槽、ケース、バケツの類は全くありませんでした。
仕方がないのでその日は、大きな紙の空き箱にたくさんの空気穴を開け、そこにカブトムシを入れておくことにしました。
そして翌朝、目覚めるとカブトムシの入った箱はありません。なぜか別の箱に入っています。そして、元気がありません。
「何で別の箱に入ってんのん?」そう私が聞くと、母は次のような話をしてくれました。
「昨日の夜な、ガサガサ言う音と、ブーンていう音がしててん。それでな、ゴキブリやと思って、殺虫剤を撒いてん。そうしたらしばらくして、カブトムシが落ちてきてん。箱を見たらふたが開いててん。逃げ出しとってんやわ。それで、大きな別の箱に入れ直したんや」
箱の中では2匹のカブトムシがスイカの上に乗っています。
殺虫剤という言葉でとても心配でしたが、夏休み休みまでには後2日あります。
私は仕方なく学校に行きました。
教室では昨日までのお祭りとカブトムシの話で持ちきりでした。一応、『アカカブ』を手に入れたことは話せましたが、その後のこと・・・殺虫剤をかけられてしまった事は言えませんでした。
「大丈夫かな?」そのことしか考えられないまま、無事授業も終わり、飛んで家に帰りました。
<まだ元気はありませんが、生きています。>
私はほっとして、すぐに、カブトムシ用の飼育ケースと、カブトムシ用の腐葉土を買いに行きました。お金に余裕が無かったので、中に入れるクヌギの木は買えませんでしたが。
うちへ帰るとさっそく、ケースに土を入れ、カブトムシを入れてやりました。土の上にはスイカを忘れずに載せて。2匹のカブトムシは各々隅っこに移ると、潜り始めました。透明のケースですから、2匹の位置はそれぞれ良く見えて楽しかった事を覚えています。翌日以降は、2匹とも結構動き回り私の心配はなくなりました。
それから2−3日後でしょうか?一週間はしなかった頃、交尾をしているのを発見しました。初めて見るその状態を理解出来ず、引き離そうとしましたが、やはり駄目でした。強い愛の力には子供は勝てませんでした。その後、数日してオスが死にましたが、メスはかなり長くまで生きていたと記憶しています。
余談ですが、私達が子供の頃、カブトムシはせいぜい2週間強も生きていれば長生きな方でした。ですが、今では一ヶ月程度まで生きるらしいのです。理由は餌の違いにあるらしいのです。私達の頃は、スイカや、桃、などの水気の多い果物を餌として与えるのが普通でした。ですが、このような餌ばかりですと、昆虫は水分の取りすぎで下痢のような状態になり、衰弱が進み、早死にしてしまうらしいのです。黒蜜にお酢やお酒を混ぜた<樹液もどき>もありましたが、果物程に喜んでは食べませんでした。
今、ペットショップや、ホームセンターに行くと、<昆虫ゼリー>なるものが売られています。見た目は人間が食べるプチゼリーにそっくりです。
中身は樹液に似た成分を人工的に調合したものをゼリーで固めたもので、これを食べると、下痢をすることも無く、果物のように土を汚す事も無い為かなり衛生的な環境を保つ事にもなるらしいのです。
昆虫自体も、私達の頃は標本で見るしかなかったものが、輸入され、普通に手が届くほどの値段で売られていることに、羨ましさと、時代の変化とを感じずにはいられません。
変わらないでいて欲しいのは、生き物に対する優しさや、飼うことに対して責任を感じるということです。
お金を出して買ってくるとはいえ、その生き物の命を無責任に弄ぶ権利は無いんだ(命までお金で買ったわけではない)と言うことだけはしっかりと子供に伝えるのが私を含めた大人の務めでしょう。
カブトムシの居たケースですが、その後、卵が孵化し、何匹かの幼虫が生まれましたが、冬の寒さと乾燥とで死なせてしまいました。非常に残念でかわいそうな事をしたという思いが、今も心の片隅に残っています。
